下水道工事以外の土木工事(道路、河川、港湾など)の仕事についての説明です。
電気工事、機械工事ともかなり多いのですが、多くの市町では、土木工事の一環として土木職が処理しています。
多くの場合、若手の土木職が担当しています。
若手土木職も周りに設備職がいないため、相談する相手がいなかったりするので、私達から見ると、とんでもなく適当な設計、工事、維持管理がなされているところが多いことが現実です。
景気のいい時代は、早め早めの更新工事がなされていたため、大きな問題は起こりませんでしたが、今後は思うように更新工事が進められていかない可能性があるので、どうなるでしょうか。
今後は、土木職は、土木工事に集中してもらい、設備職が設備工事を担当する方が全体としての効率も上がることでしょう。
そうなっていくことが全体の利益につながると思うのです。
在籍職員
土木職、事務職がいます。
ごくまれに電気職、機械職がいます。
「ごくまれ」というのは、基本的にいないということです。
大型プロジェクトであったり、大規模なトンネルを含む道路工事がある場合は、設備職が常駐して担当することがあります。
電気職は、道路設備であれば、受変電設備や中央監視制御装置、トンネル照明設備、道路情報板設備、トンネル非常警報設備、料金所設備、監視カメラ設備、気象観測設備、サービスエリア施設など多様な設備を担当します。
機械職は、道路設備であれば、トンネル換気設備、トンネル消火設備、消雪設備などの設計と工事監理を行います。
土木職は、土木構造物の設計と工事監理を行います。
土木施設
土木施設は多種多様に身近に存在します。
道路
住民に最も身近な土木施設は、道路です。
道路には多くの設備が設置されています。
前述したとおり、道路トンネルには多くの設備が設置されています。
河川、砂防
河川も住民に身近なものです。
排水機場はもちろん河川水位計、河川監視カメラなど多くの設備が設置されています。
電気職は、上記に設置される電気設備を担当します。
これらの中央監視設備やテレメーター設備など土木といえども多くの電気通信設備が設置されています。
機械職は、ポンプや可動堰など多くの機械設備が設置されています。
大型機械を造るので結構楽しいです。
港湾
河川と似ていますが、機械はさらに大きいものが設置されています。
中央監視設備を含めて、電気設備もたくさんあります。
上水道
下水道と上水道は設備は似たような感じです。
下水の方が汚泥処理があるので、大掛かりです。
設備的には楽しいです。
しかし、こちらも止めることができないという意味では世間の風当たりは厳しいです。
慎重な仕事が求められます。
担当業務
設計
小さな設備が多いですが、大きな設備もあります。
設計は外注して、コンサルタント会社が行うことがほとんどです。
コンサルタント会社はメーカーなどから聞き取りしたりして新技術などの情報も持ってきます。
役所の設計担当者は、これまでの経験も踏まえて、コンサルタント会社に指示して、使いやすい設備の設計を進めます。
こうして、仕様を固めつつ図面が完成します。
小規模な修繕工事は自分で図面を書くこともあります。
積算
設計図面をもとに、積算をします。
電線が何メートルあるのか、スイッチが何個あるのか、機器が何個あるのかなどすべて積み上げます。
電線やスイッチの単価も調べて積み上げていきます。
機器は特殊なオーダー品なのでメーカーによる見積りで単価を決定します。
こうして設計価格が決まります。
入札
入札に至るまでに設計価格を基準として最低制限価格などが決定されてます。
その後、入札があり、施工業者が決定します。
なお、入札業務は、事務職がメインで行います。
工事監理
仕様書と図面だけですべてが網羅されているわけではありません。
現場の状況に合わせて工事を進めなければなりません。
施工業者と道路管理者や河川管理者、地元など関係者と調整しながら、工事を進めます。
道路は新設であれば、地図に残ります。
誇り高き仕事と言えます。