維持管理というのは、施設の運転管理です。
上手に運転しないといけません。
適切に浄水場の管理を行うとともに、水道施設を止めないように運転するのです。
まず、下水道ほどではありませんが、上水道を停止することは大変なのです。
病院の水道が止まれば大変なことになります。
下水道は(ある意味)止めても人命に関わることはありませんが、上水道は人命に関わるのです。
また、上水道の水質の安全性は絶対を要求されます。
まさに、命に関わる仕事なのです。
在籍職員
電気職、機械職、化学職、事務職がいます。
電気職、機械職はまさに各種設備の面倒を見ます。
水質職は、水質検査の担当がメインです。
浄水場施設
浄水場はなんとなく想像できる世界だと思いますが、なかなかに奥が深いところがあります。
人が飲むことができる水を作り、それを安全なまま配水しなければなりません。
日本では、平和と水と安全はタダということは常識(最近はそうでもないかもしれませんが・・・)ですが、水だけはいまだに常識でタダ同然の値段で配水しているのです。
諸外国では、蛇口の水をそのまま飲むことができないのです。
少し考えると、ものすごい技術だと思います。
浄水場
最近はキラキラした名前で呼ばれたりすることがある浄水場です。
河川やダムや井戸から取水して、泥を落とし消毒する施設です。
下水と異なるところは、どちらかというと配水が重要なウエートを占めているところです。
例えば、みなさんが一斉に水を使うと水道の圧力が落ちます。
そうなると、高台の住宅やマンション上層階などに水が届かなくなってしまいます。
そうならないように配水管理することも重要な要素です。
配水設備・給水設備
浄水場は重要な施設ですが、上水道施設にとって配水施設はとても重要です。
下水道と異なり、加圧して給水しています。
水漏れに注意しなければなりません。
水漏れが発生すると、道路が水浸しになるだけでなく、断水するおそれもあります。
さらに、道路陥没などしたら人命にも関わります。
延々と長い水道管を日常的に監視しなければなりません。
担当業務
運転管理
運転管理といっても、本当に浄水施設を運転するのは、オペレーターの方です。
オペレーターは、外注の民間業者が多いのですが、役所の職員が自前で行っているところもまだ多いです。
大きな流れの中で、彼らに指示することがメインです。
処理場の機械の細かい動きは、オペレーターの方が知っていますので、彼らと仲良くやって、処理場をうまく運転していくことが求められます。
しかし、なにも無ければ平和です。
必ず何かありますけど。
故障対応
機械が故障したりすると、すぐに修繕しなければ大変なことになります。
上水道を止めることができません。
日本では、末端の断水は仕方ないと理解されますが、上水道施設は、止まらないものということが一般常識化されていますので、施設の停止はあってはなりません。
そのために、機械などの予備機も用意されていますが、次の故障がすぐにも発生するかもしれません。
そのため、すぐさま対応する必要があります。
1 外注業者に指示して補修
2 メーカーによる緊急工事
3 お役所の工事担当課に工事依頼して来年度以降にきちんと改築工事
実際のところ、浄水施設や運転管理について理解していなければ、関係者に説明もできませんし、判断できません。
日頃からの勉強が必要です。
浄水場の点検検
電気設備や機械設備などは年次点検を行います。
電気設備は、高圧受電設備など一式設置されています。
また、停電が発生しても運転できるようにしているので、非常用発電機も設置されています。
これら以外にポンプや薬液注入装置などの機械もたくさん設置されています。
24時間365日運転を続けるために自動車の車検以上に必要な点検です。
点検は、主に専門業者が行うのですが、こうした点検の計画をするのが担当者です。
浄水施設を全停止することは非常に困難なので、部分的に計画的に点検してきます。
配水設備の点検
配水ルートの巡視点検を定期的に行います。
故障などなにもないときの状態を把握した上でないと、異常は発見できません。
晴れているのに道路が濡れていれば黄信号です。
特に幹線網は特に重要ですので、一大事になる前に発見する必要があります。
緊張します。
緊急事態(雨とか台風とか)
雨が降ると水が濁るので、取水を停止することがあります。
しかし、配水を停止することはできません。
長時間の取水停止は不可能です。
その場合は、時間を掛けて水処理運転をするわけですが、なかなか難しいのです。
台風が来るとほんとに大変です。
工事対応
お役所の工事担当課が発注する工事について、現場代表として打ち合わせを行うことも重要な業務です。
維持管理の立場の発言は、ものすごく重みがあります。
当然ながら、いい加減なことを言うわけにはいかないので、日頃の運転状況について精通していないといけません。
見学対応
小学校の社会見学の対象になることが多いです。
職員は、小学生相手に説明します。
私は楽しいので、結構好きです。
浄水場の大切さをしっかり伝えるようにしましょう。
こういう説明者は、副所長などが担当したりしますが、小学生にはウケが悪いことが多いです。
こういうことは上手に説明ができる人がした方がいいと思いますね。
かといって、小学生はすぐに忘れてますけど。