下水道の維持管理ではざっくりとこんな仕事をしています

業務内容
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維持管理というのは、施設の運転管理です。

上手に運転しないといけません。

適切な下水処理を行うとともに、下水道施設を止めないように運転するのです。

人間に我慢しろとは言えませんし、我慢しきれませんから。

在籍職員

電気職、機械職、化学職、事務職がいます。

電気職、機械職はまさに各種設備の面倒を見ます。

化学職は、水質検査の担当がメインです。

下水道施設

上水と比べると下水という世界は、見てみないと本当に知らない世界です。

汚い水をきれいにしてから流す施設です。

考えただけでもものすごい技術の結集と言えるでしょう。

下水処理場

最近は浄化センターとか水再生センターとかカムフラージュした名前になっています。

下水管で集められた下水をきれいにして川や海に放流する施設です。

微生物の力を借りてきれいにするわけです。

微生物に機嫌よく働いてもらうために、適度に下水(エサ)を反応池に入れたり、金魚鉢と同様に空気をブクブクさせたり、溜まった泥(微生物)を除去したりします。

泥は最終的には汚泥焼却炉で燃やします。

灰は通常、埋め立て処理をします。

担当業務

運転管理

運転管理といっても、本当に下水道施設を運転するのは、オペレーターの方が多いです。

オペレーターは、外注の民間業者です。

大きな流れの中で、彼らに指示することがメインです。

処理場の機械の細かい動きは、オペレーターの方が知っていますので、彼らと仲良くやって、処理場をうまく運転していくことが求められます。

しかし、なにも無ければ平和です。

 

小規模な下水道施設になると自動化され無人化されているところもあります。

しかし、トラブルが起きると施設が壊れたりしたら大変なことになるので、無人化していても職員が巡視しないといけません。

これが無人化の現実です。

まったくのゼロにはできません。

故障対応

機械が故障したりすると、すぐに修繕しなければ大変なことになります。

下水を溢れさせることなど、維持管理の下の下です。あってはなりません。

どの部分が故障しているのかをオペレーターの意見も聞きながら、判断が必要です。

たいていは、以下のどれかになります。

1 外注業者に指示して補修

2 メーカーによる緊急工事

3 お役所の工事担当課に工事依頼して来年度以降にきちんと改築工事

実際のところ、下水処理施設や運転管理について理解していなければ、関係者に説明もできませんし、判断できません。

日頃からの習熟が必要です。

点検

年次点検があります。

大きな下水処理場であれば、特別高圧受電設備になっていますし、高圧設備もたくさん設置されています。

また、停電が発生しても運転できるようにしているので、非常用発電機も設置されています。

これら以外にポンプやゴミの掻寄機などの機械もたくさん設置されています。

24時間365日運転を続けるために自動車の車検以上に必要な点検です。

点検は、主に専門業者が行うのですが、こうした点検の計画をするのが担当者です。

下水道施設を全停止することは非常に困難なので、部分的に計画的に点検してきます。

緊急事態(雨とか台風とか)

雨が降ると下水の量が増えます

処理できる下水の量に限りがあるので、雨が来る前に処理するための池をなるべく空にしておくなど、腕の見せ所です。

台風が来るとほんとに大変です。

さらに、最近は予測できないゲリラ豪雨がしばしば発生するため、台風よりも対応が大変なのです。

工事対応

お役所の工事担当課が発注する工事について、現場処理場の代表として打ち合わせを行うことも重要な業務です。

維持管理の立場の発言は、ものすごく重みがあります。

当然ながら、いい加減なことを言うわけにはいかないので、日頃の運転状況について精通していないといけません。

働く人を人を選ぶ仕事?

当然ですが、下水道施設は汚いものを扱っているところです。

やはり、見た目に悪い部分もありますし、臭いもきついところがあります。

普通の人が見たことがない世界を見るってことは楽しいと思いますが、そうしたことを面白いと感じることができる人とそうでない人がいると思います。

たとえば、下水道のマンホール点検にやってきました。

あれ?手袋を忘れてる!

そのときに、素手でタラップを掴んでマンホールの中を降りていけるか?

 

そういう能力が問われるかもしれません。

そういうことが嫌いな人は、絶対に手袋を忘れてこないという話はありますけどね。

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