職員の個人賠償
兵庫県庁の貯水槽で排水弁の閉め忘れがあったため水道水が補給され続ける状態となり、約600万円の水道代が余計にかかった問題で、井戸敏三知事は8日の会見で、「職員のミスで損害を与え、県民におわびしたい」と陳謝した。
このうち約300万円は、点検に立ち会った担当職員が負担したという。
Yhaoo!ニュース
すごいニュースが飛び込んできました。
しかも、業務上でかつ故意ではないミスなのに個人賠償という判断です。
通常、ありえない展開です。
県は、いきなり無茶なことをしないので、何かしらの根拠があってこのような結論に至ったのでしょう。
裁判で負けるようなことを行政はしませんからね。
この理屈でいくと消しゴムをなくしても個人で弁済しなければなりません。
今回は、通常の損害を大きく超えているということで、消しゴムとは扱いが異なるということなんでしょうね。
上司の責任は?
これは個人だけの責任でしょうか?
上司の責任はないのでしょうか?
係長や課長や部長や局長や知事にも責任があるのではないでしょうか?
「あと(のチェック)は私が行う」と業者を帰しながら、排水弁を閉め忘れていたといい、県は職員の責任は重いと判断。
Yhaoo!ニュース
これが事実であれば、職員個人の責任は大きいことは分かります。
しかし、部下がやったことですので、上司の責任もゼロとは思えませんね。
個人賠償という結論になったわけですが、実際はニュースには書かれていない様々な経緯があるのでしょう。
貯水槽の点検
かつて私も貯水槽の点検を担当していたことがあり、ひとごとではありません。
貯水槽は、一定の大きさ以上のものは、法令で1年に1回の清掃が義務付けられています。
このときに保健所による水質検査というものあるのですが、その点検を含めて「貯水槽の点検」という業務になっていました。
どっちかというと点検というより清掃がメイン業務です。
排水弁を締めることを忘れるだろうか?
委託した業者が清掃するわけですが、担当者は最後に清掃状況を確認した上で、水を貯めます。
そこで今回の問題ですが、排水弁を閉めることを忘れるでしょうかね?
排水弁を閉めてから給水するのは至って自然な流れです。
お風呂に水を貯めるときも排水弁を閉めることを確認しますよね。
#閉め忘れた経験もありますが・・・
それでも、実際に排水弁を締めることを忘れたとして、担当者としては満水になったときに確認することがあります。
・給水が止まっているか?
・貯水槽から水漏れがないか?
・その他タンクに異常はないか?
今回のように水が出っぱなしになることは怖いですからね。
これらのことを私は確認していました。
そうすると忘れるってことはないと思います。
勝手な想像
担当者は、素人?
満水になると給水が止まるのは、フロートバルブが設置されているからなのです。
フロートバルブは、水が貯まることによって風船のような浮きが浮くことで給水弁が閉まるという仕組みです。
トイレのタンクと同じです。
ものが引っかかるなどの状況により給水弁が閉まらない場合には、給水しっぱなしってことになります。
貯水槽内に引っかかるようなものは通常ないのですが、清掃業者の忘れ物とか、フロートバルブの故障など何かしらの原因で閉まらないことがあるわけです。
素人はこのあたりの動作を理解していないため、最後の確認を怠ったのかもしれません。
担当者は立ち会っていない?
清掃は業者任せで、貯水槽で清掃業務を確認していない可能性もあります。
事務屋さん(には限らないが)は、原理まで理解していない(理解しようとしていない?)人が多いので、業者任せにしている人が多いですね。
清掃業者も人間ですから、見ないと分かっていると清掃が疎かになっていたりしそうですよね。
それはさておき、最後だけでも現場を確認することはとても重要です。
業者が払っている?
職員が弁済したのですが、点検業者から職員にお金が流れているのかも?
と、勘ぐってしまったりしますね。
まあ、記者発表までしているので、そんなことはをしているとは思えません。
バレたら大変なことになるので、これはなさそうです。
結局どうしたらいいか分からない
今回のようなことはあってはならないことなのですが、気を付けるしかないのでしょうか。
といっても、はっきりと何に気をつければいいものか分かりませんね。
まさか、1か月の間、水の出しっぱなしになっているとは、本人も思っていなかったでしょう。
貯水槽は普段でも点検することは少ない場所ですので、他の人に気付いてもらうには難しいです。
上司もまさかの連続でしょう。
職員がこんなことをしでかすとは・・・
上司としても注意しようもないような気もします。
いちいち、「排水弁閉めたか?」なんて聞きませんよね。
閉めるのは当たり前ですからね。
いやいや、難しいです。