設備職(電気職・機械職)の設計・施工監理は大きく営繕、下水道、土木の分野に分けられます。
その中でも一番担当者が配置されているのがこの営繕工事の分野です。
在籍職員
電気職、機械職、建築職、事務職がいます。
建築職が、営繕設備の建築工事を担当します。
電気職、機械職は、建築付帯設備工事を担当します。
なお、人数比率は、おおむね
建築:電気:機械=2:1:1
です。
建築職は調整することが多いので、このような比率になっていますが、設備職(電気職・機械職)は、工事数で言えば、ざっと建築職の2倍の工事を担当します。
一つ一つの工事について重みは軽いかもしれませんが、2倍の工事を担当することは結構大変です。
営繕施設
ざっというと、公共建築施設を営繕施設といい、それらの工事を営繕工事といいます。
いわゆる箱物といわれているものです。
世の中を見渡せば、学校、幼稚園、病院、警察署、公営住宅、役所、美術館、博物館、動物園、公園施設、研究施設、ゴミ処理場など、生活環境の中にたくさんの公共施設が設置されていることが分かります。
これらの施設の新築工事や改修工事を営繕工事といいます。
歴史
なお、「営繕」という言葉は、奈良時代から存在する言葉らしい。
数は少ないながらも建築職は、奈良時代から存在していたのでしょう。
当時も衛生工事は存在したと思いますが、専門職があったかどうか・・・?
いや、昔だからこそあるような気もする。
しかし、設備職(電気職・機械職)は、ほんとにここ最近誕生した職種であることが分かります。
担当業務
設計
新設施設の場合、どのような施設を造るのかというのを決めるのは、政治の流れで決まることが多い。
そうした施設をその担当課と調整しながら、考えていきます。
担当課は、たいてい事務職だけからなる職場でどのような使い方をするということだけが決まっています。たまに、造りながら考えるとかいういい加減な施設もないではない…
まずは、建築職が建築計画を考えます。
部屋割りとかいった全体計画です。
それらが概ね決まったあとに、電気職、機械職が入っていくパターンが多い。
電気側としては、受電場所と電気室の位置、自動火災報知設備や放送設備を設置する事務室の位置などが重要です。
当たり前ですが、配線ルートなども気をつけなければならないことです。
電気室が建物の真ん中にあるのがベストですが、そうはいかないですよね。
それらが概ね決まった段階で、外注するコンサルタント会社を入れる。
それまでの決定事項を含めて、コンサルタント会社に指示して仕様と設計図面を完成させます。
自分の考えを設計に反映しやすいのが営繕施設の特徴ですので、やり甲斐があります。
積算
設計図面をもとに、積算をします。
電線が何メートルあるのか、スイッチが何個あるのか、機器が何個あるのかなどすべて積み上げます。
電線やスイッチの単価も調べて積み上げていきます。
機器や分電盤などは特殊なオーダー品なのでメーカーによる見積りで単価を決定します。
こうして設計価格が決まります。
入札
入札に至るまでに設計価格を基準として最低制限価格などが決定されています。
その後、入札があり、施工業者が決定します。
なお、入札業務は、事務職がメインで行います。
工事監理
仕様書と図面だけですべてが網羅されているわけではありません。
最低でも現場の状況に合わせて工事を進めなければなりません。
施工業者と施設担当課など関係者と調整しながら、工事を進めます。
新築と改修で大きな違いがあります。
改修工事は施設を使いながらの工事であれば、かなり大変です。
停電する場合は、調整だけでも大変です。
そのような調整を重ねて工事を完成まで担当します。
特に電気設備は、施設管理者が実際に操作する機器を設置するので、よく打ち合わせをしなければなりません。
自分の担当工事が完成するのはうれしいです。
マニアックな分野に詳しくなったりするので、結構面白い仕事です。
大きな施設であれば、完成すると新聞やTVニュースで取り上げられたり、地図に載ったりするので、ちょっぴり自慢のネタになります。